40代以降の性交痛

最近性交中に痛みを感じはじめた方

ことばには出さなくても多くの女性が更年期(45~55歳)からの女性ホルモン減少で膣の乾燥や性交時に痛みを感じています。
痛みによりセックスレスになる方もいるのではないでしょうか?
引きつるような痛み、カサカサする感覚、ヒリヒリ感、人によって痛み方は様々でしょう。

私たちが行った20代から50代まで107名対象のアンケートでは、
約78.5%の女性が性交中に痛みを経験されている結果がでました。
このように閉経前後から痛みを感じる方が増えています。
・30代78%
・40代83%
・50代89%

なぜ、40代以降は性交時に痛みが起きるのでしょうか?

女性の潤いは女性ホルモンのひとつであるエストロゲンと深く関係しています。
エストロゲンは図のように様々な働きがありますが、私たち女性の皮膚や粘膜の潤い、弾力を保つのも役割のひとつです。

閉経が近づき卵巣機能が低下してくるとエストロゲンも減少し膣壁、膣口のバルトリン腺から出てくる自然な潤いの減少につながります。

更年期の症状は、ホットフラッシュ、うつ症状、不眠、関節痛などの他に外陰部の不快感や性交痛なども代表的な症状のひとつです。
皮膚や粘膜のハリやみずみずしさを保つエストロゲンの減少より膣や外陰部、顔の皮膚にも同じような乾燥がはじまり様々な症状がでてきます。

・膣内の分泌液の減少
・外性器(大陰唇や小陰唇)の萎縮
・膣の萎縮や膣粘膜の菲薄化(ひはくか)
・外陰部、膣壁のコラーゲンの減少
・膣の伸展性や弾力性の低下
・膣の衛生状態を守る酸性度の低下

上記の症状が進行すると
・下着が触れるだけで、かゆみ、ヒリヒリ感、擦れた感じがするなどの不快感
・性交時や婦人科の検査などの少しの刺激でも出血しやすくなる
・膣炎を頻繁に起こしてしまう

これらの症状は我慢して良くなることはなく、エストロゲンの減少による体の変化で起こりうることと理解しましょう。

エストロゲンの役割

女性ホルモン(エストロゲン)とライフサイクル

痛みをやわらげる工夫として潤滑ゼリーの活用

初期や軽い痛みの場合は潤滑ゼリーの潤いの助けでスムーズに性交が行える場合があります。
40代以降の性交痛の主な原因は、膣の乾燥によるものです。
ほとんどの潤滑ゼリーは水と化粧水によく使われるグリセリン、PG(プロピレングリコール)やBG(ブチレングリコール)などをベースに作られています。

更年期以降におススメの潤滑ゼリー

アイディ グライド[ID GLIDE®]id_glide_123アメリカのドクター推奨。発売から25年、世界40か国以上で販売されています。少量でも潤滑力と持続力に優れており、幅広い年齢層に信頼度が厚い商品です。
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アイディシルク[ID Silk®]id_glide_123水やグリセリンの他に、滑りに優れているシリコンを少量ブレンド。潤滑力が高くなり、通常の潤滑ゼリーでは滑りが足りない方のサポートをしています。
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ビオグライト[BIO glide]ビオグライドBDiH(ドイツ化粧品医薬品商工業企業連盟)からオーガニック認証をうけているドイツの有機の潤滑ゼリーです。
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潤滑ゼリーの使い方

一般的には1~2㎖、指先にのる程度~小さじ1/2弱。
清潔な指にとり、コンドームをつけた男性器の先端または女性器の入り口に使用します。

潤滑ゼリーを使っても変化がない場合 
潤滑ゼリーはお薬ではありません。治療目的ではご使用になれません。
使用しても変化がない場合は医師に診て頂くことをおすすめします。
外陰部の乾燥
デリケートゾーン用の石鹸や保湿乳液が市販されているので、活用してみましょう。

医療機関では、HRT(ホルモン補充療法)や漢方療法など様々な治療方法があります。必要に応じで専門医師に診てもらいましょう。

監修:黄 宗聖(こうレディースクリニック江ノ島 院長)

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